二村ヒトシ, 藤沢数希

二村 藤沢さんはテクノロジーの人だから、統計学や生物学から考えられる「性差」といった面、それと「市場原理」の法則から、恋愛工学を編み出したわけでしょう。僕は恋愛や性の問題を、自覚できていない異性へのコンプレックスとか、親との関係の中で生じてしまった「その人の性質」から見るのが好きなんです。それらはスッキリと“解決”できるものじゃないかもしれないけど、自覚することでそれまで困難だったラクな恋愛や楽しいセックスができるようになる人も多い、ということを示せたらいいなと。 藤沢 そういう心の問題を考えるというか、そういうアプローチでやっている学者もいますし、そういう切り口が大好きな人がたくさんいるのは僕もよく理解しています。ただ、恋愛工学はなんといっても工学なんですよ。たくさんの男の人がセックスしたいと思ってるわけです。できれば売春とかではなく、自由恋愛でね。だったら、それを効率よくするにはどうすればいいか、と僕は考えるんです。物事をなるべくシンプルにしたい。